HOI4/逆上洛

近国平定

すべては隠された

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 関東に対抗するには京都もまた、関東と同じく地方を制圧・平定することが必要不可欠であった。愛知、岐阜、静岡、福井と様々な県を陥落させた京都の工業力は高くなったとよく言われるが、それでも関東というかつての日本の中心地にあらゆる面で対抗するにはまだまだ力不足だったのだ。

(達也)「門脇将軍から命令が下った。全軍前進を開始!」

今回の戦争は京都軍の陸海空全ての戦力を活用した戦いとなった。空軍は前線のインフラを破壊し敵の混乱を、海軍はいまだに数は少ないものの小規模の通商破壊を行った。

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(大阪軍前線指揮官)「…」

          「いまだ!やれ!」

(門脇)「奈良は和歌山、三重との関係を頼らず、大阪と同盟を組んだそうだ。鳥取も参戦したようだが、地理的な面からみて問題外だ。どうだ達也。奈良方面に大阪軍は確認できているか?」

(達也)「いえ、情報通り敵は見えません…」
    
    「なんだ?砲声か!?」

    「うぉッ!」 

(門脇)「達也!どうした!」

だが、京都軍には誤算があった。京都が開戦に至った要因である、前線の敵勢力の未確認は全くの誤りであった。常識的に考えればこの情勢下で拡大志向を持つ京都に対し、軍事的な警戒を置くのは当然であったが、京都は情報という確かに頼るべきものを信じ込んでしまったのだ。

全ての戦線では大阪、奈良、三重の軍が日本の森林地帯を活用し、伏兵として京都軍に猛烈な砲火を浴びせた。

だが、数多くの戦いをこなした達也と彼の軍を構成する武士団はその誤算に対して驚きはするものの怯みはしなかった。

(奈良軍指揮官)「どうした?敵は伏兵の攻撃が効いていなかったのか!?」

        「つ、突っ込んでくるぞ!なんだあいつらは!」

京都がなぜ武士という階級を復活させたのか。ここにきてその答えが正しいことが証明された。一つは古くから続く日本の精神を保ち、継承するため。二つは強大な敵にもひるまず、信念と忠誠心とプライドを持つ兵士であることであった。

新指導要綱と国軍整備計画から続く京都陸軍の改革は武士団を現代に合わせるため日本刀の常備と複合装甲からなる鎧を身に付けさせた。そして、これらが合わさり、彼らは奈良の伏兵が潜む場所に対して、突撃を行い、戦線は一転して京都軍の優勢に転じた。

もう一つの誤算

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(飯島)「達也が奈良戦線を突破した?」

    「…いろいろと甘く見ていたようだな。」

飯島は開戦を主張し、事が思い通りに進むかと思われていたが想定外の事態が起こったことに対して冷静を保ちつつあったものの内心では動揺していた。

その時、飯島の近くにも砲弾の爆発音が聞こえた。

(飯島)「くそ、何とかうまく立ち回ろうにもこっちも攻撃されちゃ話にもならん。やるしかないか。」

飯島の部隊も前進を開始した。あらかじめの指示により、奈良戦線に比べればスムーズに戦線を突破した。

門脇出陣

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三重東部の戦線には新たに作成した第4軍が用意されていた。しかし、新人で未熟であること、そして三重と旧愛知県境は想像よりも広く兵力が分散されてしまう事が重なり敗走。

(門脇)「荷が重すぎたならツケは払わねばならない。」

門脇はすぐさま福井県に前線司令部を設け、滋賀県より東の岐阜、愛知、静岡の領土の防衛を放棄し、福井での軍の再編成を命じた。要は近畿南部での勝利が確立されれば戦争自体には勝てるのだ。

第4軍はバラバラに、そして一目散に退却した。

帝国主義の終焉

攻勢続く

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大阪方面の戦いは当初の予想とは違い、京都軍が優勢となった。というのも、大阪軍は5年ほど前ならば確かに陸軍は日本一の練度を持っていたのだが、これに対して京都軍は数度にわたる実戦の反省から着実なる練度の底上げを行った。

一方の大阪軍はいまだに四国に上陸すらできておらず、暇をしていた陸軍の練度は徐々に下がる一方だった。

結論として言えば、京都軍は大阪軍と同等以上の質と長い間続けてきた兵力の拡大により有利に戦争を続けているという事である。

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(門脇)「これじゃ、さすがに決着はついたか。」

東日本情勢も西日本と同じであった。群馬が逆転することもなく徐々に追い詰められていたのである。

夢が実現するその日まで

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(門脇)「ほう。結構リニアも進んでいるじゃないか。」

    「そろそろ、リニア建設会社との付き合い方も考えないといけないな。」

東と西が戦争状態であってもリニア建設はルート問題から一度も止まったことはなかった。愛知の次はいよいよ近畿である。このままいけば近畿全域を収めることになる京都は近畿地方の建設事業を一手に引き受けるという事を意味しており、門脇は更なる内政の処理ができるかどうか不安であったという。

1941年3月11日 ―既に日本は変わっていたのだろうか?

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(門脇)「…本当か。」

    「わかった。京都の県力なら支援はできそうだな…。」

東日本を襲った史上最大の地震は津波を伴い東北地方を中心に津波をもたらした。この巨大津波の影響は日本全土に及び、大阪を担当する飯島の部隊にも津波の危険はあった。

(飯島)「仕方ない。一旦、部隊を後退させ、高台に避難させろ。住民が来たら戦車に乗せてやれ。」

飯島が後退をある程度進めたところ、前線から聞こえた通信に門脇は耳を疑った。

(飯島)「大阪軍が失地回復のために突撃してきている?」

その言葉通りであった。京都軍が津波から逃げた場所はもちろん無人地帯と言ってもよかった。そこに大阪軍が京都軍の後方へ進出しようと突撃を敢行したというのだ。

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また、全国の情報を集める中で飯島はより被害の大きい関東でも戦闘は止まらなかったことを知る。幸いにも最も被害の大きい東北地方は戦乱とは無縁で各県による救援活動が進められていた。

(飯島)「かつて日本の災害は全国が団結して支援するのが当たり前であったのに…日本という国がなければそれは当てはめなくてもよいという事か…!」

日本は以前とは違い、着実に狂いつつあるのだろうか?

いや、確実にそうだ。京都も例外ではない。逆上洛という全国平定、いや、侵攻もそうであるし、群馬の帝国主義だってそうだ。日本は既に狂ったと飯島は確信した。


門脇が各指揮官と通信を始めたのは翌12日の事であった。

(門脇)「大阪軍はどうなった?」

(飯島)「海岸に再び歩兵を近づけるわけにもいかなかったので砲兵と空軍を総動員して壊滅状態にさせました。突出した部隊も既に降伏しています。」

(門脇)「そうか。よくやった。しかし、本題は我々京都がどの対応を行うかだ。」

(達也)「将軍。前線には既に情報が出回り、兵士の中には不安が広まっています。東北を故郷とする兵士もそれなりに這いますので、家族の安否を求める声も既に出ていますよ。」

(門脇)「その点については既に現地に諜報員を情報収集として派遣することを決めている。」

    「問題はだな。京都の物資や人員をどの程度送るべきかだ。一応にもまだ我々は戦争中だ。戦闘に差し支えない程度でよいだろうか。」

(飯島)「それでいいと思いますが…被害の規模が大きすぎますので東北はその量で許しますかね?」

(アレックス)「ヒマしているニホンカイの艦隊をスベテツカイマショウ!それなら見栄だけでもはれまス!」

(門脇)「それは…」
    
    「盲点だったな…どう思う?」


様々な協議の結果として、京都軍は物資と人員を日本海艦隊に積載させ、山形県への輸送を開始した。約20隻の軍艦は日本海艦隊の全てである。この派遣はマスコミに受けはした。だが、現地がどのような感情を持ったのだろうか。門脇は不安であった。

(門脇)「こんな時になって全国に媚びを売り始めたと言われても文句は言えないな。」

1941年3月25日 関東大戦終結

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関東大戦は東京側の完全勝利に終わった。群馬の帝国政権は解体され、茨城とグンマ以外はほぼもと通りといった具合に落ち着いた。

大戦終結後に東京は東北への支援を開始するが、遅すぎたという意見が出たのは言うまでもない。

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また、この直後に大阪は全土を占領され降伏することとなった。近畿での戦争も着実に終結しつつあることが上も下も問わず感じ始めていた。

紀伊半島の制圧

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京都に対抗するための主力であった大阪が脱落したことで近畿での戦乱はすでに決着がついたと言える。各地で奮戦する和歌山と三重の軍勢であったが、それは今ではただ戦争の終結を遅らせることでしかなかった。

その、戦争の終結を遅らせることもこの際はほぼ無意味に等しかった。別に東京が近々、近畿に援軍を派遣するわけでもなければ、京都がさらに戦線を増やすわけでもなかったからである。

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遂に和歌山は降伏し、三重もそれに続く形で降伏した。三重軍の一部は静岡まで到達したが、これも京都軍が戦線の縮小のためにわざと撤退しただけであったため、無意味に終わった。

1941年10月19日 摂津接収

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(門脇)「できれば兵庫情勢に首を突っ込みたくなかったのだがな。」

紀伊半島を制圧した京都であったが、東京の陣営との対決に備えるためにはまだまだ工業力が不足していた。勿論、急ピッチで各地の工場が建設、増築されていたが、京都に接しており工業力が比較的高い摂津を手に入れることも手であった。

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京都軍は摂津を取り込む際に他勢力の妨害を防ぐため、使用できる全戦力の2個軍を投入した。さすがに一地域の統治者に負けるはずがなく、迅速に制圧は完了した。だが、

(達也)「将軍。前線で物乞い多すぎるって苦情が出てますよ?どうにかしないと現地での統治が安定しない可能性がありますぜ。」

(門脇)「さすがにここまでとは予想できなかったな」

摂津はいまだに内戦から立ち直れてはいなかった。内戦の再開に備え軍は肥大化し、その軍事費は予算を食いつぶしていたようである。

深刻な貧困状態は改善の兆しがなく、京都の軍は潤沢な栄養を摂る自分達と一日一食がやっとの彼らと並ぶ姿をまともに見れなかった。誰もがまさかここまでの状態だとは思ってもいなかったのである。

門脇は東北用の物資の一部を摂津の支援に振り向けることを即座に決定した。

嵐の前の静けさ

ひと時の平和を過ごす

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(門脇)「報道内容がだいぶ平和になったな。各地のテレビも殆どが復活したし、戦争からの復興も順調、順調。」

最近のニュースは一時期の戦争の話題から内政問題が多くなり、人々はようやく普通の生活に戻れた。

最近では様々の要因により半ば放置されていた豊洲市場問題が解決した。また、群馬も着実に帝国感情から脱却している。

だが、その裏では両陣営の探り合いが激化していた。

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(アレックス)「ドウナンデス?ホントウナンデスカ?7th Fleetはまだ生きているのですカ!」

(諜報部員)「わかりません…。ただ、横須賀基地に神奈川の自衛隊艦隊以外にアメリカ製の艦船と原子力空母のマストが確認されています。」

      「一応、基地周辺に張り付けていますが動きはありません。これでは情報不足なのですよ。ただ、可能性の範囲で言えるならば第7艦隊が我々に立ちふさがる可能性があるという事です。」

(アレックス)「…」

アレックスはかつての第7艦隊が日本崩壊時に受けた命令を思い出した。

[―全艦艇は独自の判断で行動し、乗員とその家族及び艦船の安全を確保せよ―]

日本とアメリカの連絡手段が消滅しかかったときに受けたこの命令は各地で解釈の分かれることとなった。少なくともアレックスのいた戦隊は日本を脱出した。

(だが、もしかしたらまだ残っている戦隊がいるかもしれない。そんな彼らを支援しなくてはならない。)

そう思いアレックスは日本に残り続けた。だが、その彼らが、同胞が私に武器を向ける可能性がある。その不安にアレックスは以後悩み続けることとなる。

決断

門脇はあらかじめ指示していた軍備の拡大が完了したとして各司令官を呼び出し関東への進出時期の決定を協議することとした。

(門脇)「正直なことを言おう。次の戦争の勝算は五分五分かそれ以下だ。こちらは184個師団と現在訓練中の24個師団を投入するが、相手は少なくとも同程度の師団は保有しているはずだ。」

総勢208個師団という数は対摂津戦での兵力のおよそ2倍にあたる。今までため込んだ装備をふんだんに使用し用意したわけだが、これで満足いく門脇ではなかった。

(門脇)「特に東京、神奈川、埼玉、群馬のうち2つを合わせただけでも京都に対抗できる力は作れるわけだ。」

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(飯島)「しかし、これ以上の時間をかけるのはナンセンスです。人的資源は問題ないでしょうが、工業力は相手が優勢だと考えると時間をかけるごとにその差が広がります。一刻も早く宣戦布告しましょう。」

(達也)「ううん…。確かにこれには同意します。しかし、我々には重戦車を中核とした主力部隊が各軍団に配備されているのでこれをうまく使えば包囲殲滅も狙えるのでは?」

(門脇)「重戦車の強みか…。確かにそうかもしれんな。」

    「だが、包囲殲滅は厳しいかもしれない。国力が低い山梨と長野は山岳地帯だ。そして、関東平野は強大な戦力が待ち構えている。これでは機動戦もままならない。」

    「それに、各地から他県の予備戦力が投入されるだろう。」

(達也)「ということは、第一次大戦の塹壕戦の延長戦のような戦いになると?」

(門脇)「そうだ。」

(諜報部長)「既に各県境は多くの県が増援として現れています。」

(補給部隊代表)「ですが、それを逆手に取ることも可能です。かねてからの補給線強化により、我が軍の前線への補給体制は万全です。」

        「確か、敵軍の消耗はすでに始まっているそうですね?」

(諜報部長)「ええ。そうですね。相手は補給線の強化が進んでないらしいのです。」

特に山岳地帯での補給は補給部隊の頭を悩ませていた。だが、京都は工業力をフル活用し、これを解決する。そして、その問題は同じ山岳地帯に布陣している相手側も同じはずなのだ。

(門脇)「つまり、その消耗を利用すれば勝算はあるわけか。」

(達也)「長野と山梨。この2県のおかげで戦線はかなり広がりましたが、そのいずれかを陥落させれば戦争は優位に進むでしょう。」

(飯島)「勝負は一度きりですから悩むのもわかります。しかし、このあたりが一番の好機だとは思いませんか?」

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(アレックス)「太平洋艦隊総数73隻ハ万全の状態デ出撃命令ヲオマチシテいまス!」

太平洋艦隊も以前とは比べ物にならないほどの規模を誇っている。少なくとも海上自衛隊の船をは十分に戦えるだろう。

(門脇)「…そうだな。やるか。」

    「各部隊へ伝達しろ。43年12月18日に関東に乗り込む!」


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    逆上洛への最後の戦いが始まる。

HOI4/逆上洛/5話:逆上洛


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Last-modified: 2019-08-04 (日) 18:16:03