第一次世界大戦に勝利し、押しも押されぬ大国であったはずのフランスは、しかしあっけなくドイツに負けてしまいます。同じくドイツに敗れたポーランドと比べてもわずか1週間長く戦うのがやっとでした。一体何が原因だったのでしょう？またフランスの国力を持ってすれば、もうすこしまともに戦えたんじゃないでしょうか？やってみました。
第三共和制の不和 †
フランスの工業力は決して低くはありません。IC100はドイツのIC144と比べてもそれほど見劣りしないのです。しかしながら諸々の補正がかかった最終的なICはドイツの1/3になってしまっています(IC200に対してIC67)。その中でも特にFull Civilian Economyの影響(IC-50%)が大きく、フランスが防衛に割ける工業力が大きくそがれてしまっているのです。1/3の軍事力では負けてしまうのも無理はありません。
じゃ法律を変えれば良いじゃない
それが不可能なのです。国民結束度が低すぎます。またどんなに早く国民結束度を上げようとしても戦争が先に始まります。なんというか絶望的です。フランスはフランス指導部がまともな戦争指導を発揮しないまま戦争へと突入する他ないのです。
フランスに重く圧し掛かるFull Civilian Economy。変更する術はない。
おなじみのPopular Frontイベント。ちょうど一つ分の資金が手に入るので1日目から法律を変更できて便利、というだけの存在。ちなみに軍事訓練法をSpecial TrainingからBasic Trainingに変更した。
なんちゃって機甲師団 †
というわけで完全に国民の支持を失っていますが、逆境に負けず解決策を模索してみましょう。フランスが軍備に費やせるICはすずめの涙ほどの30IC/Dayです。開戦までに用意できるICは40000ほどで*1、この予算の中でなんとかしなければいけません。たとえばフランスには約100個師団の歩兵がいますが、それすべてに300ICする火砲旅団を加えるだけでもうギリギリになるような懐具合なのです。
えーといろいろ方法はあると思うのですが、マジノ線延長とか、スペイン侵攻とか、今回は普通にドイツを迎え撃つプランでやってみます。この予算の中で可能な限り陸軍を強化し、可能ならば小反撃に打って出ようという作戦です。幸い指導力には恵まれてるので兵士の精強さではドイツに引けを取りません。
まぁとは言っても予算が限られているので、貧者の軍隊を作らなければいけません。戦車旅団とか高嶺の花なのです。そこで目を付けたのが自走砲です。性能はかなり良好で、補助旅団にはあるまじきDefenseとTougenessを持ちます。それでもあくまで砲兵のジャンルに入るので、生産においてはギアリングボーナスを火砲と共有できます。これを中戦車の代わりに機甲師団の主力に据えれば比較的安価に機甲師団(もどき)を用意することができるのです。さらに中戦車1自走砲4という編成なので機甲師団を運用する上で必須とも言えるSpearhead Doctrineを研究しなくて済みます。なんだかズルい気すらします。
切り札と見込んで開発を考えてる自走砲。ところで写真はカチューシャじゃないの？
戦争準備 †
開戦までに特に変わったことはありませんでした。スペインはファシストになり、日本が脅威的進撃で中国を併呑、イタリア＝日本＝ドイツが枢軸となり、といった具合です。この期間特に気をつけたのは可能な限り戦略資源の備蓄を減く保つようにし、売却して物資に変えることでした。また研究は歩兵、対戦車砲、火砲、中戦車、産業系、実戦の実践が得られる技術、陸ドクに絞って進めました。特に、戦争できない国は実戦経験を積めないので、実戦の実践が得られる技術は陸ドクを研究する上で助けになりました。
最終的に例の機甲師団(中戦車1自走砲4)を10個用意し、さらに歩兵をいくらか生産し、一部を除くすべての歩兵師団に火砲旅団を持たせました。ちなみに海軍と空軍は最初の1週間から全く手をつけてません。ダルラン提督とか激怒してる思います。
ところで歩兵の編成は2つバージョンがあります。一つは歩兵3火砲2です。オーソドックスですね。ただこれだけだと、例えば2つのプロヴィンスから同時に攻撃を受けた場合、スタックペナルティが7なのに対し戦闘幅が15しかないので結局5個師団しか戦闘に参加できません。そこで歩兵師団のいくつかを歩兵1火砲4の編成にします。この2つを組み合わせることにより、戦闘に参加できる旅団が最大になるようにスタックを組み替えます。
あとはまぁ当然ですけど、植民地の遠征軍などはすべて引き上げさせてマジノ線に詰め込んでます。海外に残ってるのは戦域司令部だけです。
奇妙な戦争 †
さあいよいよ戦争です。ドイツ軍がポーランド国境を越境し、第二次世界大戦が始まりました。我らがフランス軍も黙っていません。陸軍のほぼすべての兵力をマジノ線後方に集結させ、いまやおそしと攻勢の準備を整えてきました。なんちゃって機甲師団4つからなる先鋒の機甲軍団がザールルイとランダウの2つの地点でジークフリート線に襲い掛かります。
自走砲を主力とした機甲軍団は、プレイヤーの不安をよそに、易々とジークフリート線を突破しました。間違ってなかったのです！後続の歩兵軍団が流れ込み、戦線を食い破っていきます。そして古典的な両翼包囲の作戦は奏功し、ジークフリート線の数個師団を捕らえることに成功しました！
ドイツのお株を奪う電撃戦。なんというか最高の一枚。
忘れずに法律を変更する。あれだけ不可能だった法律の変更がいとも容易くできる。戦争の力は絶大です。
フランス軍はモーゼル川とライン川に挟まれた地域(ラインラントの南側)を制圧し、次に予め計画していた通りルール工業地帯へと進撃します。対するドイツ軍はなおも東部戦線で攻勢をかけており、すでにポーランドは虫の息です。またフランスの攻勢に呼応するかのようにイギリス軍がエムデン上陸作戦をはじめています。頼もしいです。
ライン川上流部西岸の森林地帯に防衛線を築く。Forestは特に戦車の攻撃時におけるペナルティが大きいので、河川と合わせて守るのにもってこいの地形。
エムデン上陸作戦。このころはまだ役に立つ同盟国でした。
ポーランドはほぼ史実どおり降伏しましたが、ドイツ軍を東に引き付けているその間にもフランス軍はラインラントを北上、ルクレールの機甲軍団(じゃない方だったかもしれない)が渡河に成功しルール工業地帯の目と鼻の先のデュッセルドルフに迫ります。
デュッセルドルフ陥落。ベネルックスの人たちはどんな気持ちで見てるんだろうね？
その後、敵のまばらな戦線を押し上げてルール地方を制圧しました。ドイツはルール工業地帯を失いましたが、しかしいまだに工業力は健在だったりします。ちなみに、ここで当初の作戦計画はおしまいです。
ライン川東岸のミニ包囲網。もっと大きなポケットを狙ってたんだけど頓挫してしまった。
そんな最中、Superior Firepowerが完成。法律の変更のおかげで170にもなったICを火砲、自走砲、駆逐戦車に注ぎ込んでるので生産完了が待ち遠しい。
次なる狙いは誰の目にも明らか。エムデンで粘っているイギリス軍と手を結びたい。しかしだんだん橋頭堡から兵士がいなくなっていくのですが...。
気付いたらエムデンの橋頭堡からイギリス兵がいなくなってました。察するにニューカッスルに撤退したようです。何それどういうこと？大陸遠征軍よこせよコラァ！などとイギリスに罵声を浴びせても、旅団の一つもよこしてくれません。すでにフランス軍は攻勢限界に達しつつあり、もともと質の面でギリギリドイツを上回っているだけなので、戦線が広がり続けると一つのプロヴィンスに張り付ける兵力がスタックペナルティー以下になってしまい、質的有利を生かせなくなり、すなわち戦線を維持できなくなり、つまりは攻勢限界を迎えつつあるのです。
考えられる方策はただ一つ：包囲殲滅。これ以外にはありません。質的優位に立っているうちになんとかドイツ軍に回復不能な損害を与えるのです。そこで新たな目標をヴィルヘルムスハーフェンに決めました。まぁ結局は同じなわけですが、近場で金床ハンマー理論の金床を探したらオランダの中立の壁しかなかったわけです。というわけでヴェーゼル川西岸を突き進みドイツ軍を包囲することを狙います。
歴史イベント、カッセルの戦いに勝利。しかし選択肢がぜんぜんおいしくない。
約2ヶ月かけて何とか目標を確保。苦心惨憺の末になんとか戦線を安定させた。もう1個旅団も余ってません。
ちなみに選挙はこんな結果。左派連合の勝利。フランスは左派が使いやすいと思います。なんとなくですけど。
1940年の選挙はARVの大勝利に終わりました。まるで戦争の成り行きを暗示しているかのようです。まぁそれはさておき、フランス軍はどうにかこうにかヴィルヘルムスハーフェンの攻略に成功、首尾よくエムデンに残る守備隊など数個師団を一掃することができました。これにより浮いた圧力を元手に、新たな包囲を目指します。もうなんだか自転車操業みたいな気分です。
ニューカッスルで演習を行うイギリス陸軍。40個旅団もあればどれほど楽になるだろう･･････。
さらに2ヶ月かけてエルベ川の要衝ハンブルグを突破、エルベ川上流部東岸を確保し、北海沿岸の数個師団をトラップすることができた。
どうにかこうにか包囲を成功させつつ、キール付近まで進出してきました。いつものごとく、さて次はどこから(攻勢のために兵力を)抽出しようかと思案してたら、ドイツが突如低地3ヵ国に対して宣戦を布告します。
黄作戦を行えるとは到底思えない戦況でのベネルックスに対する宣戦布告。大丈夫ですか、フューラー？？
この謎すぎる宣戦布告にフランスはひそかに大喜びしたのです。おお、やっと援軍が来てくれるぅ。
しかしながら現実は非情でした。宣戦布告され、連合軍の一員となったはずの低地諸国の軍隊は、しかし一向に国内から出る気配がありません。まるで中立政策を維持してる……のでしょうか？何ですかこれは！？
迷走する連合国。低地諸国はなおも中立政策を堅持。イギリスといい、連合軍には問題がありすぎる。
そうこうしてると、スクリーンショットを見てもらってもわかると思うのですが、マンパワーが0になりました。もはや火砲旅団を生産することもできません。しかしフランスには自信があったのです、ドイツの1/4ほどを制圧し、月あたり22.5のマンパワーを得ているフランスならなんとかなるだろうと。だがしかしその幻想は淡くも崩れ去ります。
フランスのマンパワー。ペナルティーなどもろともせずぶっ続けで農業の研究を行っているのでかなり高い方だと思う。たぶん大丈夫だろう、と。
何度目かの分断成功。これがたぶん最大の包囲網となった。かなりの数の敵軍を降伏させ、この後はだいぶ楽に。大成功した理由はおそらく、デンマークの方に分断された友軍があったからだと思う。その包囲を解こうとしてるうちに逆に包囲されちゃったと。
圧力が弱まったので、ライン川付近に貼り付けていた部隊を増援としてベルリン方面へと送る。
ハンブルグ、キールを確保したドイツ軍はその後エルベ川西岸を進撃、同河川を渡河したところで一気にバルト海へと突き進み、バルト海に面した都市リューベックを陥れました。これによりキール、ハンブルグに張り付いていた10個師団超のドイツ軍が分断包囲され、フランス軍は思いのほかの大戦果を上げることができたのです。
勢いに乗るフランス軍はその後ベルリン方面へと一足飛びに進撃していきます。
度重なる包囲戦に勝利。
そして、ベルリン包囲戦。
ベルリンは瞬く間に包囲され、(フューラーは脱出)、ついにナチスドイツの首都ベルリンが陥落。いやこれはもう勝ったでしょ、と思ったのもつかの間──
神々しきイタリア参戦。
なんぞ、それ？これはつまり、ファシズムの友邦、ドイツの危機にイタリアが立ち上がったというわけでしょうか？（ありえなーい！）
一応、アルプス戦線には形式的に1個軍団を張り付けてるのですが、そんなの何の役にも立ちません。ここは一旦引いて、フランス南部の平原で機動戦を繰り広げるべきかなどと思慮をめぐらしていたら、……なんだか様子が変。
なんだか後退していない？？
イタリア側のアルプス戦線はどんどんスカスカになり、攻勢に出てきたもののせいぜい2個師団程度。イタリア軍はどんどんイタリア奥地へと引き込まれていきます。何なんでしょうかこれは？しかしすぐに謎は解けました。ジークフリート線にイタリア軍が現れたのです。つまりドイツと戦線がつながったばっかりに、広く薄いドイツ戦線にイタリア軍が四散していったのでした。
ジークフリート線にたなびくイタリア国旗。
アルプス戦線は突破はされたものの、予備として残しておいた生産プールの歩兵師団を大量投下して形成逆転。イタリア弱すぎるぅ。
そしてさらにイタリア奥地へと吸引されていくイタリア軍。もうほとんど無人に……。
ベルリン方面にもイタリア軍が現れはじめていますが、はっきり言って焼け石に水です。オーデル川西岸までを確保したフランス軍は攻勢の向きを南へと変えます。ドイツの臨時首都となったウィーンへ向けて最後の攻勢に移るのです。
最後の攻勢。目標はシュトゥットガルト、ミュンヘン、そしてウィーン。
そういや、戦争目標ってあったよな、というわけで傀儡化のボタンを押す。
ルーマニアが連合国に宣戦布告。しかーし、ハンガリーが枢軸に入ってないのでルーマニア陸軍は一歩も動けないのです。また一つ謎が……。
フランス陸軍はまたも古典的な両翼包囲をめざして、ドイツ戦線をえぐっていきます。しかしここら辺りでフランス軍にもほころびが表れはじめます。兵員の補充が間に合ってないのです。フランスのマンパワーは既に底を着いており、月を追うごとに補充に必要なマンパワーが増えていってます。一部の師団では明らかに充足率が低下し、作戦を遂行する上で支障が出てきているのです。
目標に向けてまい進中。
対するドイツもマンパワーはほぼ0。ベルリン失陥のときに備蓄を失ったので希少鉱物が足らずICも満足にまかなえない。もちろんそれらはフランスのものになったけどね。
しかしながらドイツ軍にも余力はなく独仏の戦いは総力戦の様相を呈してきました。一方同盟国のイギリスはというと、相変わらずニューカッスルで演習中です。
フランス軍はラストブリゲイドを各地で投入し、なんとかウィーン、ミュンヘンへの道を切り開いていきます。そしてついにドナウ川に到達、戦争に終止符を打つべくウィーン攻略へと向かいます。そして、
ミュンヘン陥落。
一足早くミュンヘンが陥落。ドイツ降伏の文字が映し出されます。やった、勝ったー･･････、うん？！
Puppet on Germanyって文字を見た瞬間、嫌な予感でしたんですよね。これどうやって(ドイツを)分割したらいいんだってね。ところが問題はもっと深刻だったんですね。なんと、まぁ、ヒトラーが失脚してないんですね･･････。
そうです、あの時戦争目標を傀儡化にしたばっかりに訳の分かんないことになっちゃんったんですね。うーん、これは、一体。冷静に考えれば今からヒトラー暗殺のためにスパイを送り込むとかやり方はあると思うのですが、一旦やる気がなくなってしまうと続けるよりか新しく始めた方が楽しいというわけで、今回はこれで終わりにしたいと思います。一応ドイツには勝てたので目標は達成したといっていいでしょう。ここからイタリアを倒すのは造作もないでしょう。あとは日本に喧嘩売って(あるいは売られて)、トンキン湾でStrategic Effectを満喫するぐらいしかないのでこんなところかな、と思います。それではさようなら。
終了時のヨーロッパ。
バリバリ、国家社会主義です･･････。
マンパワーの不足量は増大し続け、最終的に100を突破。一部の師団は完全に消滅しかかってました。しかしそれでも最後は投入してましたけどね、ラストブリゲイドだ、つって。たぶんこの大戦でフランスの人口危機はさらに深刻になったでしょう。
唯一スキル5を超えたドゴール将軍。この世界ではたぶん政治には携わらないだろうと思います。
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